オーディオをMIDIに変換(MP3・WAV対応)
録音のメロディ、コード、ベースラインをMIDIノートにして、編集したり好きな音色で鳴らし直したりできます。処理はすべてお使いのパソコンやスマホの中で行い、ファイルはどこにも送信しません。
- ブラウザで動作
- アップロード・登録不要
- テンポ入りMIDI
いちばんきれいに変換できるのは、楽器1つ、または声1本だけの録音です。
整理とクオンタイズ
要点
MP3やWAVを上のツールにドロップして「MIDIをダウンロード」を押すだけです。ブラウザが音声をモノラル・22,050Hzに変換し、Spotifyのオープンソースモデル「Basic Pitch」で1秒あたり約86フレームを解析して(Basic Pitchのソースコード)、4分音符=480ティックのスタンダードMIDIファイルを曲のテンポ入りで書き出します。BPM96の曲で0.625秒の位置にあるノートは、ちょうど2拍目のティック480に置かれます。変換するのは最初の10分までで、音声は端末の外に出ません。
しくみ:Basic Pitchとティックの計算
採譜モデルは、SpotifyのAudio Intelligence Labが公開しているBasic Pitch(Apache 2.0ライセンス)です。TensorFlow.jsでブラウザのバックグラウンドスレッドに読み込み、GPUが使えればGPU、使えなければCPUで動かします。音声をモノラル・22,050Hzにまとめ、256サンプルずつずらして解析するので、1秒あたり約86フレーム。フレームごとに鳴っている音高とノートの始まりを推定し、最後の後処理でそれを開始・終了・音高・強さをもつノートにまとめます。スライダーが動かしているのはこの後処理なので、調整は一瞬で反映されます。
スタンダードMIDIファイルは時間をティックで数え(ここでは4分音符=480)、テンポを4分音符1つあたりのマイクロ秒で記録します(SMF 1.1)。BPM B の録音で t 秒目に始まるノートは tick = round(t × B × 480 ÷ 60) に置かれ、テンポイベントには 60,000,000 ÷ B が入ります。その前に、最初に検出した拍がファイルの拍線に重なるよう、全ノートを同じ量だけずらしています。
計算例:BPM96の3つのノート
BPM96では1拍が60 ÷ 96 = 0.625秒で480ティック、テンポイベントは60,000,000 ÷ 96 = 625,000マイクロ秒です。曲の1拍目がファイルの先頭にあるとき:
| ノートの開始 | ティック | 置かれる位置 |
|---|---|---|
| 0.000秒 | 0 | 1小節目の1拍目 |
| 0.625秒 | 480 | 1小節目の2拍目 |
| 1.406秒 | 1,080 | 1小節目の3拍目、2つ目の16分音符 |
エレキベース入りのBPM96のループから、シティポップ風のベースラインをシンセで弾き直すなら、検出テンポが96なのを確かめ、「最高音」をC3あたりにして上の音を除き、16分音符でスナップしてダウンロード。BPM96のプロジェクトに置けば、1小節目の頭から元のグルーヴのまま並びます。
対応範囲と制限
書き起こすのは音程のあるノートだけです。楽器の分離、ドラムの採譜(モデルがドラムを学習していないので、ドラムマシンで打ち込んでください)、楽譜の作成はしません。ビブラートやスライドはファイルに書かず、ノートは最も近い半音に丸めます。変換は最初の10分までで、メモリ不足を防ぐため(特にスマホ)それ以降は切り捨てます。200MBを超えるファイルと、30分を超えるとブラウザが事前に分かるファイルは、デコード前にお断りしています。
出典
- Bittner, Bosch, Rubinstein, Meseguer-Brocal and Ewert, “A Lightweight Instrument-Agnostic Model for Polyphonic Note Transcription and Multipitch Estimation”, arXiv:2203.09893, 2022 — 変換に使っている採譜モデル。 2026年10月10日に確認。
- Spotify, basic-pitch ソースコード,
constants.py— 22,050Hzの解析レートと256サンプルのホップ(1秒あたり約86フレーム)。 2026年10月10日に確認。 - Standard MIDI-File Format Spec. 1.1, updated (midimusic.github.io) — 4分音符あたりのティック数と、4分音符1つあたりのマイクロ秒で表すSet Tempoイベント。 2026年10月10日に確認。
- Peter Kabal, “Wave File Specifications”, MMSP Lab, McGill University — PCM WAVファイルが1秒あたりに使うバイト数。 2026年10月10日に確認。
MP3をMIDIに変換する手順
- ファイルを選ぶ。MP3、WAV、M4A、FLAC、OGGのどれかを、上の枠へドラッグ&ドロップします。スマホなら枠をタップして選択できます。
- 解析を待つ。初回だけ小さな採譜モデルをダウンロードし、2回目からはキャッシュを使います。
- ピアノロールを確認する。「MIDIを試聴」と「原音を再生」で聴き比べます。
- 整える。「整理とクオンタイズ」のスライダーを動かします。重い解析はやり直さないので、すぐに反映されます。
- ダウンロードする。「MIDIをダウンロード」で標準の
.midを保存し、CubaseやStudio One、Logic Pro、Dominoなどで開きます。
WAVファイルを変換するとき
DAWからパラ出ししたWAVは、MP3で削られがちな倍音や小さな音が残っているので採譜に最適です。16bit、24bit、32bit floatのどれでも、サンプルレートを問わず22,050Hzのモノラルにして解析するので、下準備は要りません。気にするのはサイズだけで、PCM WAVの1秒あたりのバイト数は「サンプルレート × 1サンプルのバイト数 × チャンネル数」です(WAVEフォーマット仕様)。上限と同じく1MB=1,048,576バイトで数えると:
| 形式(ステレオ) | 1秒あたりのバイト数 | 1分あたり | 200MBに収まる長さ |
|---|---|---|---|
| 44.1kHz・16bit | 176,400 | 10.1MB | 約19.8分 |
| 48kHz・24bit | 288,000 | 16.5MB | 約12.1分 |
| 96kHz・24bit | 576,000 | 33.0MB | 約6.1分 |
3分の曲を48kHz・24bitでバウンスすると約49MBで、まるごと変換できます。AIFFはデコードできるブラウザ(Safari)でしか開けないので、ほかではWAVで書き出してください。
設定項目の意味
- グリッドにスナップ:開始と終了を4分・8分・16分音符か8分3連に寄せます。「スナップの強さ」を100%未満にすると、人間らしい揺れを少し残せます。
- ノートの分割:伸ばした音が細切れになるなら上げ、連打が1つにまとまるなら下げます。
- 信頼度:上げると、かすかなゴーストノートや倍音、リバーブの残りが消えます。
- 最短ノート/最低音・最高音:短すぎるノートを捨て、音域を絞ります。ベースだけなら最高音をC3前後に。
- MIDIファイルの音色:記録するGeneral MIDIのプログラム番号を決めるだけで、DAWではいつでも差し替えられます。
テンポを書き込む理由
一律BPM120で書き出すツールだと、BPM96の曲ではノートがDAWの小節線からずれていき、クオンタイズでかえって崩れます。xx808は測ったテンポを書き込み、実際の拍に合わせたグリッドへノートを寄せます。検出値が半分や倍なら、テンポ欄を直すだけでグリッドが作り直されます。
きれいに変換するコツ
楽器は1つずつ、エフェクトは控えめに、区間は必要な部分だけ。完成曲しかなければ先にステム分離ツールでパートを取り出し、数か所の手直しは前提で、耳コピの下書きとして使うのがおすすめです。
よくあるご質問
このMP3→MIDI変換は無料ですか?
はい、無料です。会員登録も、書き出したファイルへの透かしも、変換回数の上限もありません。処理はすべてあなたのデバイスで行うので、音声を扱うサーバーを用意する必要がないためです。
曲がサーバーへ送られることはありますか?
送られません。読み込みも解析もブラウザ上の処理です。確かめたいときは、開発者向け機能で通信の一覧を見るか、一度変換したあとで機内モードに切り替え、同じタブのまま別の曲を変換して試せます。
ボーカルやドラム入りの完成曲もMIDIにできますか?
できますが、全楽器の音を同時に拾うので、混み合った使いにくいMIDIになります。楽器1つの録音か、分離したステムがおすすめです。
WAVやM4A、FLAC、動画ファイルにも対応していますか?
ブラウザがデコードできれば使えます。MP3、WAV、AAC/M4A、FLACはどのブラウザでも、OGGとOpusはほとんどのブラウザで、WebMやMP4も多くは音声トラックを変換できます。
ノートが1オクターブずれたり、重なったりするのはなぜですか?
強い倍音が、1オクターブ上や5度上の別のノートに見えることがあります。「信頼度」を少し上げるか、「最低音」「最高音」で音域を絞ってください。
書き出した.midはどのDAWで開けますか?
テンポ情報入りの標準MIDIファイル(フォーマット1、4分音符=480ティック)です。主要なDAW、楽譜作成ソフト、.midを読み込めるハードウェアシーケンサーで扱えます。
結果は自動で推定したもので、間違ったノートや抜けが含まれることがあります。変換するのは、使う権利のある録音だけにしてください。Basic Pitchは© Spotify AB、Apache 2.0ライセンスです。xx808はSpotifyとは関係ありません。
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